2008年04月27日

インリン見たよ

シャワーを浴びている途中で、

シャンプーが切れていることに気がついた。

どうしようかとさんざん悩んだあげく、

ボディソープで髪を洗った。

何か異常が起こるのでは?と不安になったので、

その後、リンスとコンディショナーを5回も使ってしまった………。

そんなわけで、今僕はとてもいい匂いがしている。

今日はとても晴れた気持ちのいい日曜日で、

僕は原宿をTシャツを買うために歩いている。

歩くたびにいい匂いがするから、とても幸せな気分だ。

雑踏の中、僕はこんなことを思った。

僕の幸せって安あがりでいいな。

こんなことで幸せを感じるのだったら、

あと20個は簡単に思いつきそうだ。

幸せになることなんて、

難しいことでもなんでもないんだろうなー…………。

そんなことを思いながら歩いていると、

目の前にはなにやら人だかりができている。

何だろう?

覗いてみると、

そこにはタレントの

インリン・オブ・ジョイトイがいた。

本物だ。

うわーすげー。綺麗!

撮影かな?

あ、こっちに手を振ってくれた!

やったーラッキー!

まったく………………僕は幸せなヤツだ。




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2008年04月25日

楽しかった日

金曜日だということで、

今日は家でお祝いパーティをすることにした。

祝う事柄を今は思いつかなくて、

もっといえば失業中なんで、

金曜日ということも関係ない。

でもいいんだ。

とにかくお酒を飲んだり、

おいしいものを堂々と食べたい気分なんだ。

スーパーで無理のない程度に買い物をして、

酒屋でワインを眺めたりしてみる。

さあ、あとは今日は何を祝うかってことだ。

まあ、食べたり飲んだりしているときに考えることにしよう。

料理をすまし、僕は一人っきりのお祝いパーティを始めた。

当たり前のことだが、

おいしいものはとてもおいしかった。

ワインも安いわりにはなかなかいける。

そのうち料理を全て食べきって、

僕のお祝いパーティは終わった。

ふう。楽しかった。

そこでやっと、僕は今日の課題を思い出した。

あ、やばい。

今日は一体、何のお祝いパーティなんだ?

…………何も思いつかない。

まあいいや。

今日は楽しかったから、

楽しかった日のお祝いということで、

ここは一つ、どうでしょうか?






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2008年04月24日

麦わらのソルジャー

履歴書を書く手を休めて、

テレビのニュースに目を見やれば、

今日も多くの同士が自殺したことを

キャスターが告げていた。

僕は胸を痛めて、

自分に何が出来るかを考えた。

しかし僕はといえば、

自殺のタイミングを見失い、

ただ生きながらえるだけの愚か者。

生き恥をさらしながら、

死に場所さえ決めかねるただの半端者だ。

人を救う前に、

僕などはまず自分を救うべきなんだろう。

わかっている。

しかしそんな僕でも、

もし救える人がいるならば一人でも救いたい。

だから今回は、

自殺の衝動を乗り越えた友人の話をここに記したい。

この話はあまりにも荒唐無稽なので、

深い意味を読み取ることなどは無理かもしれない。

自殺には様々な理由があるだろうから、

何の参考にもならない人のほうが多いはずだ。

ただでさえ、この話は何が救いなのかわかりづらい。

しかし、友人が死の誘惑に打ち勝った事実として、

誰かの力になれることを祈り、この話を僕は記す。

…………………………。

三年ぶりに会った友人は、

以前に比べて少し太ったようにみえた。

「いやあ、最近ついててさあ!」

友人はそう言ってコーヒーを口に運んだ。

昼下がりの喫茶店は人もまばらで、

僕たちは誰の目もはばからず、

久しぶりの再会を祝いあった。

それから他愛もない会話をしばらく続けた後、

不意に友人の様子が変わり、ささやくようにこう言った。

「オレ、実は、去年死のうとしたんだよね」

話を聞くと、二年前から去年まで、

友人はずっと塞ぎ込んだ生活をしていたらしい。

「別に特別な理由もなくてさ…………。

 とにかく無気力なんだよね。

 目的がある訳じゃないから働きたくないし。

 やりたいことも思いつかないし。

 でも結局、働かないと生きていけないだろう?

 それだったらもう、死ぬか。という感じで」

友人はそこまで喋り終えると、コーヒーを一口飲んだ。

僕はライターを手の中で持て余しながら、話の続きを待っていた。

コーヒーを飲み終えて一息つくと、友人はまた話はじめた。

「………それで去年死のうと思ったんだ。

 練炭と七輪は家にあったからな……………。

 そしてついに明日実行ってときにな、

 最後に何かしようと思ったんだ。

 残されたあと一日で何かをしてやろうと。

 でも…………何も思いつかないんだ。

 考えても、考えても、何も思いつかないんだ。

 金はそんなに持ってるわけじゃないし、

 もちろん犯罪めいたこともしたくない。

 そうするとやることが限られてしまう。

 オレはそこで困ってしまったんだ。

 ………………………………。

 その頃オレは食欲が無いからメシを食わずに、

 カールばっかり食っていた。

 テレビも見ないし、本も読まない。

 ほとんど外にも出ない。

 オレに入ってくる情報はカールだけだった。

 今、考えるとそれがいけないのだが、

 オレはしばらく考えたあと、

 こんなことを最後の一日でやろうと考えてしまった。

 それは…………

 <カールのおじさんと似たような格好をする>

 というものだった。

 ………まあ、どうかしてたんだろうな………。

 とにかくオレは街に向かった。

 そしてそれは久しぶりの積極的な行動でもあったよ。

 オレはその後、店を何軒かまわって、

 麦わら帽子は結構楽に手に入ったんだが、

 オーバーオールがなかなか見つけられなかった。

 実際のおじさんはオーバーオールじゃないけどな。

 だけど10件目くらいでやっとオーバーオールが見つかって、

 オレは喜びながらそれを買うと、大急ぎで家に帰ったよ。

 家に帰り着くなり、店の袋を開けて

 オレはオーバーオールを取り出した。

 あれほどオーバーオールが輝いて見えたのは、

 あの時が初めてだよ。

 それからオレはゆっくりと

 裸の上にオーバーオールをまとって、

 麦わら帽子をかぶった。

 儀式のような慎重さでな。

 二つのアイテムを装着し終わった後、

 オレはおそるおそる洗面所の大きな鏡に

 自分の姿を映してみた………。

 そしたらそこには、

 血色が悪く、目が血走って、幸薄そうな顔の男が、

 のどかでハッピーな格好をして立っているんだ。

 そのアンバランスさがなんとも間抜けでな。

 だめだったよ…………。 オレ、大笑いしちゃってな」

僕は煙草に火をつけながら尋ねた。

「もっと他にやること思いつかなかったの?」

すると友人は笑いながらこう答えた。

「オレもあとでそう思ったよ。そしてそのあと、こうも思ったよ。

 オレは一体何をしてるんだろう?

 オレは一生懸命に、一体何をしているんだろう?ってね。

 そしてそれ以来、

 自殺のことを考えそうになると、

 あの日の自分の間抜けな姿が思い出されて、

 笑っちゃって、もう真面目に考えれなくなっちゃった」

友人は嬉しそうに話し終えると、

コーヒーをもう一杯注文した。

なんとも奇妙な話だ。

僕は返す言葉さえ見つけられなかった。

それから友人は僕の目を覗き込み、こう続けた。

「いいか?もしお前が死にたいって思うときがきたら、

 絶対に同じことをやれよ。イメージするだけじゃだめだ。

 こんな感じになるだろうなーとかではだめなんだ。

 本当にやるんだ。本当にカールのおじさんに近い格好をするんだ。

 いいかい?一番大切なポイントは……………」

友人は人差し指を立ててこう言った。

「まず……………………動くことだ!」
 

 




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2008年04月23日

未来は今

Tシャツで歩けるほどの暖かい昼下がり。

パンを買いに近所のコンビニへ行く。

世界を祝福する透き通る大空も、

失業中の僕にはただ見飽きた青にすぎない。

時間帯がいけなかったのか、

店には近所の大学生たちがあふれ、

まともにパンを選べない。

若い力が店にみなぎって、

希望や躍動や情熱や煩悩がみなぎって、

か細い生命の僕などすみに追いやられて。

大学生たちは店を出ると、

皆、一方向に歩き出した。

おもしろうそうだ。

見た目の若い僕は、

大学生のふりをして

この集団の後を歩くことにした。

木漏れ日が眩しい川沿いの道を、

キラキラと光を受ける大学生たちが歩く。

一番後ろを歩く僕に注意をはらう人なんかいない。

みんな未来が忙しいのだ。

大学生たちは夢中で何かを話している。

時折聞こえてくる単語は僕には難しすぎる。

会話に参加できない僕は

ぼんやりと考える。

僕は一体、

ここにくる途中、

大人になる過程で、

何をなくしたか?

そして得たものは何だったか?

断言できる言葉は手にしたか?

未来に紡げる物語は続いているか?

若い彼らに心から、

生きることは素晴らしいと

胸をはって言えるのか?

そんなことを考えていたとき、

道沿いでよりいっそう光を受けて咲く花に

僕は目をうばわれた。

白い小さな花。

ときどき風にゆれて、

心地よさそうにしている。

僕は立ち止まって、

しばらくそれを見ていた。

…………………………。

それからふと前をみると、

大学生たちはもういなくなっていた。

誰もいない。

風に緑が揺れている。

川が光を反射している。

僕はゆっくりと

白い花をもう一度見た。

花は小さく、

揺れ続けていた。














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2008年04月20日

猫のいる暮らし

色々な人の本や、

色々な人のブログを読むうちに、

幸せには猫が不可欠なのではないだろうか?という思いを

今僕は感じている。

「猫がいるから家に帰るのが楽しい!」とか

「今日は寂しいので、猫といっしょに寝ます!」とか

「猫がいるからがんばれます!」とか

そういったものを読んでいるうちに、

僕のあらゆる孤独や絶望や失敗は、

猫を飼っていないために起こっているとさえ思われてきた。

これはやばい。

急いで猫を手配しなくては。

確かに今日の僕の一日は、

ダメな日曜日の見本のようなものだった。

朝、特に見たいものもないのにテレビをつけている。

どこかに行こうと思うのだが、結局どこにも行かずに家でゴロゴロする。

昼、本を読み始めるが集中できずに、カーテンを開けたり閉めたりする。

もちろん窓の外には何の異常もない。

しなくてはいけないことを、2つ思いだすが、

どちらから手をつけていいかわからず、

結局あいだをとってゴロゴロする。

……………………………。

いかんいかんいかん。

しかし、そこで猫だ。

猫がいれば一日はきっとこんなにも違う。

朝、猫が可愛いのでテレビはつけない。

猫をつれて公園に散歩に行く。

幸せだ。

いい感じだ。

昼、本を読む。猫がいることによる不思議な力によって、

本に集中ができる。

いいねえ。

猫がカーテンで遊んでいるので、カーテンの開け閉めはしない。

しかしカーテンがボロボロになる。

そのうち猫はキッチンに行き、花瓶を倒す。

花瓶の破片で猫が血だらけになる。

僕は子猫を抱いて病院を探す。

どこの病院も閉まっていて、街中を走り回る。

やがて服は汗だくで靴もボロボロになり、

やっとみつけた開いている病院では、

僕の身なりの汚さを理由に診断を断られる。

絶望した僕は血だらけの猫を抱いて、

廃墟と化した教会の中に入る。

僕はマリア像の前に倒れ込み、そっと呟く。

「僕…………もう、疲れたよ…………」

やがて息絶えた僕と猫の周囲を

天使たちが取り囲む……………。

いかんいかんいかん。

ここにきてやっと

不幸の原因が

猫を飼っていないからではないと

僕は気づく。

どうにかしないといけないは

僕の

根が

ティブ。


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2008年04月19日

雨の日に待つ人

どこかに行きたいという思いは

常日頃からあるのだが、

雨の日は特に

その思いが募る気がする。

外は雨が降っている。

こんな日は家で本を読むのが望ましい。

わかってはいるのだが、

どこかで誰かが

僕を待っているような

気持ちになって、

家にいてもどこか居心地が悪い。

いったい僕はどこに行きたいというのだろう?

僕が行きたい場所とは……………。

誰もいない広大な駐車場で、

車は一台も止まっておらず、

物音一つ聞こえないその中心。

または、

小さなお寺とその周辺の商店街で行われる小さなお祭り。

夜の12時からこっそりと始まって、

狐かひょっとこかおかめの面を

皆つけている。

または、

聞いたこともないお店だけが入っている

80階建てのキラキラと光る巨大なショッピングモール。

商品は全て見たこともない不思議なものだらけで、

複雑な建物のつくりのせいで

どうしても迷子になってしまう。

………………………………。

こんなところがあれば是非行ってみたいものだが、

僕を呼んでいる景色とはどうやら違うようだ。

いろいろと考えてるうちに、

やがて僕は小さな頃の記憶を思い出した。

それはまだ僕が6歳だった頃、

近所でパートを勤めていた母に、

雨の降る日は必ず傘を持っていったという記憶だ。

お好み焼き屋に勤めていた母は、

僕に気づくと

お好み焼きを焼く手をとめて

笑顔で駆け寄ってきた。

僕は他の従業員のおばちゃんたちに、

えらいねーえらいねーと褒められて、

あめ玉をもらったりしたものだった。

母はとても嬉しそうで、

僕もきっと得意げな顔をしていただろう…………。

もうその頃から、

20年以上も経っている。

母に傘を渡すという目的を忘れて思いだけが残り、

そしてその正体不明の思いだけが

いまだに僕を駆り立てているのだとしたら、

それはなんとも不思議な気持ちだ。

きっと子供は聞き分けがないから、

もう僕は新しい日々に生きていると言ったところで、

僕の中にいる子供の頃の僕は耳も貸してくれないのだろう。

…………………………………。

外は雨が降っている。

こんな日は本を読むのが望ましいと言っているのに、

小さな頃の僕は

黄色いレインコートを羽織って、

母に渡す傘を手に、

窓の外を眺めている。












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2008年04月17日

人違い

特徴が無いためか、

標準的な顔のせいか、

誰かに間違えられることがよくある。

昨日、新宿駅のホームで、

線路を挟んだ向こう側のホームから

突然、スーツを着た知らない男性に声をかけられた。

「おい!つよし!オマエ北海道に帰ったんじゃなかったのかよ?」

彼の目は僕をじっと見据えていて、

懐かしいものを見るような優しさにあふれていた。

突然の出来事に僕がオロオロとしていると、

「お父さんの具合は大丈夫だったか?

 ケータイ変えたんだったら連絡しないとダメだぞ!」

と、彼は一方的に喋り、

僕に手を振りながら到着した急行電車に乗り込んだ。

どうしていいか分からず、

僕はその人に会釈した。

それからその日の夕方、

新宿の高島屋あたりを歩いていると、

仕事帰りらしい女性が、

ああ!と僕を見て言った。

「ゆうこ、結婚しちゃったんだよ!

 どうして急にいなくなったの?」

またの突然の出来事に僕がオロオロとしていると、

「もういい!」

と彼女は言って、歩いていった。

もちろん僕は

その人を知らないし、

ゆうこなんて人も知らなかった。

同じ日で二人に、

誰かに間違えられたのは今回が初めてだった。

……………………………。

夜、自宅で

不思議なこともあるもんだ、と考えていた。

そして

こうも考えた。

もし、間違えられた人が同じ人だったらすごいな、と。

僕は想像する。

……………つよしさんにはゆうこさんという彼女がいて、

二人はとても愛し合っていた。

しかしその後、つよしさんの父親の体の具合が悪くなり、

つよしさんは父親の後を継ぎ、漁師になることをついに決心した。

つよしさんはゆうこさんに言った。

「オレと一緒に北海道で漁師をやらないか?」

しかし、ゆうこさんは自分が東京で手にした全てのものを捨てて、

北海道に行くという決心がつかなかった。

そんなゆうこさんの気持ちを悟ったつよしさんは、

東京の仕事を辞めて、一人で北海道に帰ったのだ。

ゆうこさんを愛していなかったからそうしたんじゃない。

愛していたからそうなったんだ。

……………………………。

本当にそうだったらすごいな。

僕の責任は重大だ。

もしもまた、

つよしさんに間違えられることがあったなら、

僕は勇気をだして言わないといけない。

「つよしさんはゆうこさんを愛していた」と。

……………………。

だけど…………

実際にその状況になったら、

僕にはどうせそんなこと言えないだろうな……………。

はあ!

ため息をつきながら

ベットに倒れて、

僕は声に出した。

「北海道は大きいんだろうなー!」













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2008年04月14日

ハトの記憶

仕事の面接を終えて外に出ると、

曇りだった天気がウソのように晴れていた。

あまりにも気持ちがいいから

公園のベンチで一服することにした。

たった今、面接を終えたことでの開放感と、

この先自分はどうなるのか?といった不安感が

ほどよくミックスされて、

僕は今、自分が生きているという事実を

心の底から実感している。

周りをみわたせば、

小さな子供とその母親らしき人が

ハトにえさをあげたりしている。

平和であることを愛おしく思う………………。

そういえば僕が小さな頃、

僕の家のベランダにハトが巣を作って、

卵を温めていたことがあった。

僕と母はいつもそれを見守っていて、

ヒナがかえった時には大騒ぎしたものだった。

誕生したヒナに

ポッポと勝手に名前を付けて、

僕は小学校から帰ってくると

一番にポッポの様子を観察した。

親のハトが持ってくるえさを

ポッポは一生懸命に食べていた。

僕はそういった様子を

毎日飽きることなく観察していた。

それから少し経ち、

ある雨上がりの晴れた日、

ポッポは僕の目の前で急に羽ばたきはじめた。

僕が唖然としてそれを見ていていると、

今度はゆっくりとポッポの体が浮かびだした。

あ!浮かんでいる!と思った矢先、

不意にポッポは大空へと飛び立った。

じょじょに見えなくなっていくポッポの姿は

広すぎる空に飲み込まれていくようだった…………。

その日の夜、

ポッポがいなくなったことで落ち込んでいた僕のために、

母はホットケーキを焼いてくれた。

それから何日かが過ぎて、

ポッポのいなくなった巣をほうきで掃いていると、

中からスパンコールのかけらがでてきた。

ハトは光るものを集める習性があるっていうもんな…………。

そう思いながら更に掃いていると、

今度は中からなんと、

ビックリマンシールのヘッドがでてきた。

小学生の僕は大喜びして、

ポッポの飛んでいった方角を見た。

…………………………。

あれからもう、10年以上も経った。

見上げてみると

ポッポがいなくなったあの日のように、

澄み渡った空がどこまでも広がっている。














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2008年04月12日

ついてない日

歯が痛くて目が覚めた。

あまりに痛いからご飯が食べられない。

これはもう病院に行くしかない。

知らない歯医者に見てもらうのは不安なので、

引っ越す前によく行っていた歯科医院に行くことにした。

病院に向かうために乗った電車の中で

保険証を忘れたことに気がついた。

保険証を取りに帰り、

電車に乗ったところで、

行き先の違う電車に乗っていることに気がついた。

乗り換えるために違う電車に乗ろうとした時に

人にぶつかり舌打ちをされた。

やっとの思いで病院についてみれば、

本日は休診日だった……………。

今日はついてない。

桜を見ようと思い、

周りを見わたせば、

桜はすでに散っていて、

携帯電話で本日の占いを見れば、

水瓶座は最下位だった。

トボトボと肩を落して

家に帰る途中、

煙草の自動販売機にお金を入れようとして、

小銭を地面にばらまいてしまった。

僕はため息をつきながら小銭を拾っていた。

ついてない日はまだ続きそう。

すると、背後に人の気配を感じた。

振り返ると、そこには中年の女性がいて、

小銭をいっしょに拾ってくれていた。

拾い終えると女性は、

その小銭を僕に渡してくれた。

満面の笑顔で。

はい、どうぞ。

僕は少し照れながら、

笑顔で

ありがとうございます。と言った。

………………………。

なんかそれだけで、

僕はもう幸せになっていた。

僕は単純なやつだ。

でも、単純だっていいんだ。

だって

僕は幸せだから………………。

え?何の話かって?

笑顔は大事だねって話。









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2008年04月11日

遠いどこか

東京駅で電車を降りて、

駅の構内を歩いていると、

壁に僕の故郷のポスターが貼ってあったので、

しばし見とれた。

綺麗な景色の場所として有名な僕の地元は、

今日もこうして観光客を募っているわけだ。

見知らぬ誰かを呼び止めて、

「これ、僕の故郷なんです!」

と、自慢したい気分になった。

海や山や大きな橋の写真を載せたそのポスターに、

僕は当時の自分の姿を重ねた。

当時の僕は空ばかり眺めていた。

遠いどこかに行きたいといつも願っていた。

ここではないどこかにこそ、

本当の自分の場所があるような気がしていたんだ。

それから僕は東京に出てきた。

もうすぐ出てきて8年が経つ。

だけど遠いどこかには、

まだ、たどり着けていない。

今、こうして東京の雑踏の中、

地元のポスターを眺めながら、

大人になった僕はこう思う。

僕が本当に行きたかった場所は、

このポスターの中なのではないだろうか?と。

そんなことを思いながら、

僕はまた歩き出す。

一瞬、潮の香りがしたような気がして、

そんなはずないかと微笑んで、

温かい、胸の奥。






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2008年04月05日

工事現場のロックスター

靴ひもを買うために

桜が咲いた並木通りを歩いている。

新しい季節には

新しい靴ひもがふさわしい、なんてね。

それから少し道を歩き、

工事現場にさしかかったところ、

入り口にはまたあのガードマンがいた。

腰まである長い髪にヘルメットをかぶり、

両手と足を使ってドラムのリズムを刻む30代後半くらいの男の人だ。

舞い散る桜には目も向けず、

一心不乱にドラムを練習している。

僕は経験があるので知っているが、

工事現場のガードマンの仕事は、

車が出入りする際に周りに注意をはらうことだ。

つまり、それ以外の、

車が出入りしないときには一切やることがない。

夏は暑さに耐えて、

冬は寒さに震えながら、

ただ、ひたすら立っているだけだ。

彼はその何もない時間を、

ドラムの練習に使うと決めたんだ。

彼に声をかけようとするものなんて一人もいない。

彼は乾いた唇を噛んで、泥のついた手でひたすらドラムを練習していた。

………………………。

僕は想像する。

彼くらいの年齢になれば結婚している友達もいっぱいいるだろう。

仕事で成功している友達も何人かいるだろう。

もっと楽しく和気あいあいとできる職場だってあったかもしれない。

だけど彼はその全てを捨てたんだ。

彼は孤独を選んだんだ。

彼は過酷を選んだんだ。

彼が信じているのは、

子供のころに見た、

ロックスターになるという夢だけなんだ。

だから彼は同窓会にだって行かないし、

誰とも連絡を取らない。

夢だけに生きる価値を感じ、

そして夢の中にだけ、未来がある。

今もずっと、

あの頃に見た夢を見ているんだ…………………。

…………………………。

もし、そうだとしたら

本当にそうだったとしたら……………

絶対に成功してやろうね。

あなたの顔はもう覚えたよ。

もし、あなたをテレビでみかけるようになったら、

僕は誰よりも喜んでやる。

テレビの前で大騒ぎするんだ。

……………そんなことを思いながら、

ふと自分の足下を見れば、

靴ひもがぼろぼろだ。

さあ、早く靴屋に行こう。

新しい季節には

新しい靴ひもがふさわしい。

それから少し歩き、

工事現場をゆっくりと振り返ってみれば

舞い散る桜で、彼が見えない。




















posted by kodds at 16:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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